「寿也っ!後輩のくせに先輩より早く休むなんてありえねぇだろ!」


ドリンクを飲む寿也の背後から現れたのは二年生の二人。小柄で若干赤毛なのが沢村恭汰で、恭汰とは対照的に、上背が大きいのが桑井純だ。


「ほら、そこで喧嘩しなくたって、恭汰のも純のもあるんだから!」


ここで寿也と恭汰が軽く言い合いを始めるのだって、いつものことで。あたしは二年生の二人にもドリンクを渡し、その場を治めた。


「っていうか、他の人たちは休憩なし?」

「いや、すぐ来ると思うッスよ。」


三人しか来ないことに少し疑問を抱いたあたしは、ドリンクを飲み終え一息入れていた寿也に尋ねる。寿也がそう答えたとほぼ同時に、こっちに向かってくる数人の姿が目に映った。