――だけど、


「…前にも言ったよね?あたしはもう、これ以上他人を巻き込みたくない。わかってくれる、でしょう?」


遠くから徐々に近づいてくる大型車の音をバックに、あたしはそう言い放つ。だって恐らく、今のあたしじゃまた美香を止められない…否、止める自信がない。
そんな自分が、未だに情けないけれど。

うつむいて渋々うなずく数人を横目で見ながら、あたしは駐車場の方に目を向けた。明春だったらいいな、というあたしの思いは届かず、あたしたちが乗ってきたバスの横に停められたのは、間違いなく凌葉のもの。

続々と降りてこちらに向かってくる彼らに、懐かしさとともに胸の奥が締め付けられて。

だんだん縮まっていく距離に、張り裂けそうに鳴り響く胸の鼓動に、思わずあたしは雅樹と昭文の陰に隠れた。