運転手に軽く礼をし、とりあえずあたしもバスを降りる。まだ他校は到着してないようで、海星の一同は宿舎の玄関の前で一応集合していた。

あぁ、やっぱりこのタイミングで話すことじゃなかったな。何かみんなが、スゴく重たい雰囲気を放っている感じ。

はぁ…、気まずい…。
でもみんなには、凌葉の彼らとちゃんと仲良くやってほしい。全ての原因はあたしと美香であって、あいつらが悪い訳じゃないのだから。それに、美香をあまり挑発しちゃダメだし…。


「みんな、さっきの話は聞かなかったことにして、いつも通りでいてよ。あと、あたしをあまり意識しないで。あたしに構って、無駄に美香の反感をかったりしないで。」


そう言うあたしに、みんなが一斉に視線を向けた。何か言いたそうな感じだけど、首を横に振って制止する。これだけは、絶対に譲れない。

でも、そんな偉そうなことを言ってるくせに、今のあたしはきっとスゴく情けない顔をしてるような、そんな気がした。