君を守りたい


訪れた沈黙に、微かに自嘲的な笑みを零す。胸の痛みに気づかないように、ぎゅっと固く目をつぶった。

――刹那、


「…そんなこと、ないッスよ。」


緊張感溢れる沈黙を破るように、寿也がゆっくりと言葉を紡ぐ。


「それが陽路先輩が悩んだ上で決断したことなら、勝手なエゴとかじゃないッスよ。別に逃げたわけじゃねぇ。
それに誰だって、人に嫌われたくないに決まってるじゃないッスか。」


そして向けられた、いつもの笑顔。
でもまさか、そんな風に言ってもらえるなんて、思ってもいなかった。


「大崎先輩の気持ちは今日初めて聞きましたが、寿也の言う通りですよ。大崎先輩は無駄に一人で責任を感じすぎです。」


後ろの席から顔をのぞかせるようにして、蓮もそう言ってくれる。そういえば確かに、彼らには一切、あたしの気持ちは話したことなんてなかった。
それに、あのこととかも…