「慈朗は笑顔が一番だねっ!」
思わず零れた本音に、あたしは慈朗の頭をくしゃくしゃとなでた。照れたようにはにかむ慈朗が、やっぱり誰よりも愛しいよ。
「さ、あたしはそろそろ部室行きまーす。」
「うん。」
慈朗に背を向け、今度こそ部室に向かって歩き出す。毎日のように開けたドアも、明日からあたしが開けることはないと思うと、何だか虚しい。
「礼二。」
「何だよ?」
部室に入ると、自分のラケットを持っていた礼二に声をかけた。いかにもかったるそうな声があたしに返ってくるけれど。
どうせ今日で最後なんだから、昔みたいに話してくれたっていいじゃん。って、思わず言ってやりたくなった。

