君を守りたい


美香と話をし、凌葉を離れる決意をしたときから、あたしは決めていた。
みんなに別れは言い出さないと…。

だって最後の最後まで、心配と迷惑、かけるわけにはいかないでしょ。

土曜日の部活前、あたしは柊先生だけに挨拶をすることにし、柊先生の元へと向かう。柊先生は、あたしをマネとして、仲間として、テニス部に迎えてくれた人、認めてくれた人。


「大切な大会前、こんな時期にいきなりすみません。せっかく誘ってくださったのに、最後までマネ、やりきれなくてごめんなさい。
…――今まで、ありがとうございました。」


深く頭を下げ、そう一気に言い切った。
普段から柊先生は、あまり感情を表に出さない。今も、何を考えているのかわからない表情であたしを見据えている。

――そして、


「…大崎。あえて理由は聞かないが、お前はそれで後悔しないのか?」


沈黙の中放たれた柊先生の言葉が、深くあたしに突き刺さった。