この件に美香が関係してるっていうことは、恐らく間違いないだろう。
理由はきっと、あたしへのあてつけ。
あんなことがあって、しかも慈朗が怪我したっていうのに、普段通りのあたしの態度が気にいらないんだろうね。
「美香っ!」
各々が各自の目的地に向かい、誰もいなくなって静まりかえっていた教室。そこに一人、美香はいた。
「何か用?」
そう言って美香は、にこりとあたしにほほえむ。美香の笑顔が、いつも以上に不気味に感じたのは、きっと気のせいではない。
「…何で圭に、手を出した?」
そんな美香から視線を逸らさずにあたしが問うと、美香の顔が一変する。彼女の顔に貼り付けられた笑みが消えた。