君を守りたい


「だから、陽路ちゃんのせいじゃないってば。泣かないで?何か俺も悲しくなってきちゃうでしょ。」


あたしにそう言う慈朗の体が、微かにふるえていることに気がついた。

いつも笑顔の慈朗をこんな顔にさせてるのも、ツラい気持ちにさせてるのも、明らかにあたしだ。

慈朗から大好きなテニスを、たとえ少しの間だとしても奪ってしまうことが、すごく心苦しい。


「…バーカ。慈朗、お前まで泣いてどうすんだよ?」


暗くなり始めた雰囲気を打ち消すように、今まで黙っていた圭が口を開いた。口調のわりに優しい瞳が、あたしたちを捉えている。