また意識飛びそうだ…。
薄れる視界の中、治があたしから遠ざかっていくのが見えて。もう諦めてくれたのかと、ホッと胸を撫で下ろす。
そのまま限られた視界の中を見渡すと、校舎の壁際にもたれかかり、礼二と紀彦に挟まれている笑顔の美香の姿を見つけた。あぁ、ムカつく、憎たらしい…。
日陰のため、もともと寒いこの場所も、さらに寒くなってくるこの時間。あたりの景色も少しずつ、オレンジに染まりかけてきて。
その中で、あたしに近づく一つの人影。どうやら、まだ諦めてなかった治が戻ってきたようで、手には何かを持っている。飛びそうな意識をしっかりと掴まえ目を凝らせば、見えてきたものにあたしは目を疑った。
……だってさ、アレ、鉄パイプじゃないの?本気?普通にヤバいでしょ。あたし、リアルに死ぬ?
もう、狂ってる。おかしいよ、治……
無駄に冷静に働く頭とは逆に動かない体が憎い。気がつくともう、治があたしの目の前に立っていた。

