あたしより大切にされる人なんて、ここにはいらないんだよ。あたしがいるなら、あたしが一番でなきゃいけなんだから。

阿久津から言い放たれた言葉で、あたしの中で何かが音をたてて壊れた。新たな計画がまた、醜い感情をまとって姿を現す。

今度こそ、陽路の大切なもの奪ってあげる。あんたをここに、居られなくしてあげる。

家に帰ったあたしは、時間を見計らって騎士たちに一人ずつ電話をかけた。


「明日、部活始まる前に陽路に呼び出しされちゃったの。怖いから、みんなに内緒でついてきてくれる?」


あたしは嘘の固まり。
自分のためなら、何をすることも厭わないのよ。陽路、明日を楽しみにしててね。