君を守りたい


「阿久津君、こんにちは♪」

「…ちは。」


でも、そんなあたしの気持ちを気にかけることもなく、目も合わせてくれずに、素っ気なく返された挨拶。阿久津はそのまま、自分のロッカーの方へと向かう。

彼も相当あたしが嫌いみたい。
今まで男子に嫌われたことなんてないし、自分が好きになった男子は確実に手に入れてきたあたし。だからやっぱり、今阿久津にこんな態度をとられるのがツラいし、惨めな気持ちになって。

最初は何より、陽路から大切なモノを奪いたかっただけ。でもいつの間にか、阿久津を目で追ってるうちに気がついた、彼への恋愛感情……。

胸が締め付けられるような気持ちに気づかないフリして、練習の準備をしている彼の姿を、あたしはただじっと見つめていた。