君を守りたい


「陽路、先輩…?」


プリントを手にしたまま、ふるえる彼女の手。それも、俺が見たこともないような、冷たい目でプリントを睨みつけながら…


「…大崎先輩、参加、頼めますか?」


そんな中、村田部長が真剣な表情で陽路先輩に問う。「…ん。あぁ、いいよ。」と、目をそらすことなく発せられた、感情さえも含まれていない冷たい声が部室に響いた。

初めて陽路先輩を、怖いと思った瞬間。
訪れた居心地の悪い沈黙を破るように、村田部長がさらに口を開く。


「マネは大崎先輩と、凌葉学園から秋田さんの2人だけの予定なので、お願いします。」

「……うん。」


…――確実に何かある。

先輩の過去には、触れてはいけない地雷がある。陽路先輩と村田部長の会話の中で俺は、そう確信してしまった。