君を守りたい


でも、だめ。
気づかれてはいけない、悟られてはいけない。
そう、思うのに――…


「何言ってんの?あたしが何で泣くのよ。泣くわけ、ない。」


涼夜の言葉に動揺を隠せないあたしの、反論する声は震える。これじゃあ、泣いていることも何かあったということも、全て肯定しているようなものなのに…。

そんなあたしの様子を悟ったのか、電話越しに微かな溜め息が聞こえた。


『…はぁ。陽路ってさ、変に強がりだよね。何かそういうとこ、俺よりガキみたい。』


強がってなんかない。
ただ、人の迷惑になりたくないだけ。
それに、あたしがもし仮に、正直に“泣いてる”って言ったら、何か変わるの?

…――否、きっと何も変わらない。


「涼夜に何がわかるの!?今のあたしの気持ちなんて、誰にもわからない。」


様々な気持ちが迷走し、気がつけば思わず怒鳴ってしまったけれど。涼夜に八つ当たりするなんて、あたし最低だ。この時点で、あたしはもう涼夜に迷惑かけてるのだと気づき、一層虚しくなった。