肩、お腹、太股、腕…。次々にラケットで叩かれる身体。泣かないあたしの代わりに、心だけが悲鳴をあげて。
痛い。誰か助けて――…
誰かが来てくれるという期待を抱き、ただ痛みだけを感じていたあたし。もうすぐ限界を迎えようとしていた刹那、いきなり左右の二人から手を離されて。
固い無機質な色をした床に、うつぶせに倒れ込んだ。
「美香の痛みを、苦しみを知れ。」
そう言い残し、倒れたあたしを放置して屋上をあとにする。そんな三人の姿が、ぼんやりとあたしの目に映った。
分厚い雲からは、ぽつりぽつりと水滴が滴りだして。あたししかいない屋上、次第にコンクリートの床は濡れ、鏡のように辺りの景色を映す。
潤っていく世界。このまま、渇いた心も潤してくれればいいのに…
涙か雨か、どちらかわからないものが頬をぬらすのを感じながら、あたしは意識を手放した。

