君を守りたい


「治、さすがにラケットはダメじゃね?今のでもう、意識飛びそうだし…。」


頭上から聞こえてくる、そんな言葉。
たぶん…否、間違いなく紀彦の声で。っていうか、意識飛びそうとか関係なく、いい加減やめてほしい。
声を出そうと思っても、ただ口がパクパクするだけで。掠れて出てこない声が、悔しい。


「数回なら大丈夫だろ。ちゃんと服で隠れるとこにしろよ。」

「了解。」


ってか礼二ありえない。
普通、数回でも大丈夫じゃないから。マジで何なの?あたし、リンチ受けるようなことなんて、した覚えないのに…。

薄暗い空の下、三人の笑い声は響く。治の、青っぽいラケットが振り上げられるのが見えた。