「ちょ、礼二と紀彦何なの!?放せっ!」
抵抗も虚しく、男子二人の力にはさすがにかなわない。
ヤバいヤバいヤバい…。
その単語だけが、あたしの中を支配して。頭の中で、うるさいくらいに警鐘が鳴り響く。
「うっ……!ゲホッゲホッ…」
刹那、思いっきり入った治からのみぞおちへのパンチ。…っていうか、めちゃ苦しいし痛いし…。まだ一発だけだってのに、かなりクラクラするんだけど…。
今にも消えそうな意識の中、薄れる視界に映ったのは、ラケットを手に笑みを浮かべる治。まさかコレで殴られる?ラケットは人を殴るものじゃないだろうに…。
絶体絶命のピンチの中、あたしの頭はいつも以上冷静に働いていた。

