「…っ!美香ちゃんが優しい子で助かったな、大崎。」
美香のどこが優しいって?
何にも知らないくせに、口出しなんしないでよ。そう思っても、下手に言い返したら、余計に自分の立場を悪くするだけ…。
悔しさに、あたしは持っていたメモを握りしめた。
そんな騒動から始まった今日。
そのせいで、午前中の授業はずっと、昼休みに屋上へ行くかどうかを悩んで過ごした。
行くのもめんどくさい。それよりも、危険だということをあたしの勘が告げている。
でも行かなきゃ、何も変わらない。逃げてちゃ、ずっと誤解されたまま…
誰にもついてきてと頼むことさえできず、昼休み、結局あたしは一人で屋上に向かうことにした。
あたしは、逃げない。
独りじゃない、大丈夫、大丈夫。
そう、自分自身に言い聞かせるように、何度も何度も呟いて。途中窓から見上げた空は、今のあたしの気持ちのように、厚い雲に覆われていた。

