「これ以上美香ちゃんと関わんな。美香ちゃんを傷つけんじゃねぇよ。」


すごい剣幕で、あたしにそう言い放つのは松原。いつの間にかコイツも、かなりの美香信者になったらしい。


「意味わかんない。だいたい、あたしとその怪我の関係って何?」


冷たい目であたしを見下ろす松原に、あたしはそう問いかけた。それと同時に、彼の眉間にさらに深くしわが刻まれて。


「しらばっくれてんじゃねぇよ。お前が美香ちゃんを切りつけたんだろ?っつーか、それってマジ犯罪だろ!」


しらばっくれる以前に、あたしじゃないから。誰がそんな面倒な事するかって。

でもこの話を聞いて、さっきのメモの意図がようやくわかった。つまりあいつらは、このことをあたしに聞きたいわけだ。