「…気にしなくて大丈夫です。そんなことで負けるような練習はしてませんから。」
苦笑いを浮かべるあたしに、光規は堂々と言い放つ。その言葉に、周りの子たちも笑顔で頷いてくれた。
「それもそうか!でも、やっぱりそろそろ帰ることにする。試合はフェアじゃないとね。」
大会は今までの努力のぶつかり合いだ。やっぱりアンフェアなことはしたくない。
軽くラリーを交わしている子たちに「バイバイ。」といって手を振り、あたしは帰る前に涼夜の方へ向かう。
「昔みたいにいつでも電話していいから。あと、小学生なんだからあまり遅く帰っちゃダメだよ!」
それだけ言い、涼夜が浮かべた仏頂面に少し笑ってから、あたしはストテニ場をあとにした。