今日はやけに、一人で物思いに耽り過ぎなような気がするのは、きっと気のせいではないだろう。

切ない気持ちに押し潰されそうで、胸が痛い。しかも、忘れるために考えないようにしてた人のことまで思い出すなんて…。最悪だ。

暗い過去に沈みかけた気持ちを、何とか今に縋らせるように、あたしは大きく声を張り上げた。


「よーし!たまにはみんなでカラオケ行こうっ!行きたい人はついてこーい!」


茜色に染まりかけた空に、あたしの声が響く。少し先を歩いていた雅樹と昭文も振り返り、ふっと優しく笑みを零した。


「じゃあ、みんなで行きますか!」


純がそう言い、あたしに向けられた全員分の視線。それに大きくうなずくと、誰ともなしに歩みを進めた。