「うん。みんなもありがとう。美香、みんなのことも頼りにしてるからねぇ。」


突っ伏してるため美香の表情を窺うことはできないけれど、やっぱり聞こえてくるいつも通りの話し方に、ただいらつきは増すばかり。

何でこんな猫かぶりの女を、みんなは易々と信じてしまうんだろう?
あんなヤスい泣く演技に、どうして同情なんてしてしまうんだろう?
あたしには不思議でならないけれど。


「でもみんな、陽路のことは責めないでねぇ?陽路が美香に厳しいのも、きっと美香に原因があると思うんだ…。」


美香の周りを囲む女子に美香自らが放った言葉。ってか白々しいよね。思ってもいないことを平気で口にするなんて。

この状況になることを企んだのも、あたしが孤立するのを望んだのも、他の誰でもない美香なのに。