君を守りたい


「……みんな、何?」


教室の入口から席までの間、クラスメートたちが無言のままあたしを見つめている。突き刺さる視線に耐えきれずあたしがそう尋ねれば、みんなわざとらしく視線をそらした。

もしやと思い、ちらっと隣の美香に視線を移す。すると美香は、みんなに気づかれない程度に小さく口角を上げ、あたしに醜い笑みを向けた。

――また、やられた…。

そう思ってからでは、もう手遅れで。
あたしが遅刻した間に、美香がみんなに何かを吹き込んだに違いない。


「ねえ美香。」


あたしはそう呼びかけ、右手で美香の左肩をつかむ。しかしその瞬間、逆にあたしの右手は誰かにつかまれた。


「また美香いじめんの?」


頭上から降ってきた、誤解を招くような発言。顔を見なくてもわかる声の主を、あたしは思い切り睨みつけた。