天上のワルツが聴こえる

「ピーチ…愛してるって聞こえるけど…違う?」

アンドロイドは、黙ったまま穏やかに微笑んだ。

少女は、嬉しくなって、彼の腰の辺りに抱きついた。

アンドロイドは、少女の背をぽんぽんと叩く。

少女は、顔を上げた。

「そろそろ、来たようです」

「来た?」

そう訊いて、少女はハッとした。

先刻、前方から近付いて来た、空飛ぶ黒い点だ。

そのために、2人はここへ降りたのだ。

少女は耳をすました。

かすかに、警備ロボットが歩く金属的な音が聞こえる。