「じ、自分でっ、でっできっます!」

服を引っ張られて、言葉がシャウトする。

目の前の、お仕着せを着た女性が、首をふる。

「あらっ、それではアタシの仕事が無くなりますわ」

「ち、違う仕事を…」

彼女は、ニッコリ笑う。

(た、助かった…?)

「お・こ・と・わ・り、ですわ。こーんな磨き甲斐が有りそうな素材を前に引き下がっては、侍女が廃ります。」

(磨き甲斐?)

一部、引っ掛かる言葉を聞いたが、今はそれどころではない。

「うふふ。綺麗に変身して、街長を驚かせましょう?」

(それは、私の望む所ではない…)

思うが、彼女の迫力に声も出せず、私はただ怯えた。

(コレから何が起こるのだろう…)

彼女が合図をすると、お仕着せを着た女性が更に数人部屋に入ってきた。

私は世界の終わりを覚悟した。