目を醒ますと、縛られて荷台に乗せられていた。
「お?目醒めたか、嬢ちゃん」
むさ苦しい顔に薄汚れた服。
手には、ナマクラの武器。
まるで、盗賊見本のような盗賊だった。
休憩中か、見張り役なのだろう。
「へへへ、そう怯えなさんなって。こちとら、行き倒れの恩人だぜ。」
下品な視線を隠す事なく、こちらを見やる。
わざわざ反応してやる義理もないが、眉が少し跳ね上がってしまう。
喉の渇きが多少癒されているのを感じたが、感謝の気持ちは湧かない。
どうやって口に水を入れられたかも不安だ。
(それより。)
如何にしてここから抜け出すか…。
気が進まないが、情報を引き出すため、口を開く。
「で。ここは何処の盗賊団さんですか?」
「おおよ、嬢ちゃんも誰に助けられたか、知っとくべきだよな。ここは“疾風の黒風”の荷馬車の中よぉ」
男は得意げに、ペラペラと情報提供してくれた。
(コモノめ。)
これなら簡単に情報は手に入れられそうかな?
ただし、この男の知っている範囲限定で。
“疾風の黒風”さんがどの程度かは知らないが、私だったら、目の前の男に、機密情報は絶対話さない。
「お?目醒めたか、嬢ちゃん」
むさ苦しい顔に薄汚れた服。
手には、ナマクラの武器。
まるで、盗賊見本のような盗賊だった。
休憩中か、見張り役なのだろう。
「へへへ、そう怯えなさんなって。こちとら、行き倒れの恩人だぜ。」
下品な視線を隠す事なく、こちらを見やる。
わざわざ反応してやる義理もないが、眉が少し跳ね上がってしまう。
喉の渇きが多少癒されているのを感じたが、感謝の気持ちは湧かない。
どうやって口に水を入れられたかも不安だ。
(それより。)
如何にしてここから抜け出すか…。
気が進まないが、情報を引き出すため、口を開く。
「で。ここは何処の盗賊団さんですか?」
「おおよ、嬢ちゃんも誰に助けられたか、知っとくべきだよな。ここは“疾風の黒風”の荷馬車の中よぉ」
男は得意げに、ペラペラと情報提供してくれた。
(コモノめ。)
これなら簡単に情報は手に入れられそうかな?
ただし、この男の知っている範囲限定で。
“疾風の黒風”さんがどの程度かは知らないが、私だったら、目の前の男に、機密情報は絶対話さない。


