「えーと」


歌印を持つ種族滅ぶ時、
世界は荒廃へと沈む

しかし嘆きの末に世界は、
二つの石を手に入れ、
その効力故に
歌印の不在を受け入れた

永の時が過ぎ
歌印を不要と断じた世界に、
やがて再び歌印が現れる

荒廃が日常化した世界は
再度の改革を嫌い、
歌印を拒む

歌印は世界を流れ
世界を知り、歌を辿り
やがて己が運命を知るだろう

それは、水歌(みずうた)と共に



「…て書いてあるみたいだが。なんかどっかで聞いた事あるな…。」

私は、石版に触れた時に止まった呼び声に首を傾げる。

(これを私に見せる為に呼んでいた?誰が?)

考えても、答えは見つからない。

私は泉の底から、青と透明の石を一つずつ拾い上げる。


ガルンが、命石を持っていないと言っていた事を思い出したのだ。

盗賊に捕まる直前に、無くしたそうだ。

「ガルン、命石」

「ああ、ありがとう。
でもどうするかな…。
俺、変身するとサイズが変わるし…」

私は、そこでかねてからの疑問を口にする。

「服、どうして破けない?」

「ああ、変身したとき?それはな…」