店の裏の扉を、ミゲルがノックした。

カチャリ…。

鍵の開く音がして、扉から眠そうな目をした女性が、顔を覗かせた。

「やほー。ミゲルさんだよ。お休み中に、ゴメンね?」

眠そうな目に、少しだけ嬉しそうな色が混じる。

「もー、ミゲルったら、こんな昼間から…」

「うん…ミゲルさんもそうしたい所なんだけどね、今日は違くて…」

チラリと、私の方に向けられる視線。

「あら…何にしてもこんな場所でする話では無さそうね…」

ミゲルの知り合いらしい、女性の案内で、私達は建物の中へと招かれた。