「明日…、松の木で………。」


たった今告げられた約束を、忘れないよう再度口にして、梳菜は手の中の松ぼっくりを大事そうに握り締めた。


ところが、いつまでも余韻に浸っているわけにはいかない。
萬天が言ったことも強ち間違いではないのだから、今の梳菜がやるべきは、お宿の仕事。

薪割りも一通りは済んだため、宿の中に戻ろうと、梳菜は身を翻した。



その、時だった……。