「……梳菜…。 このまま離れたら、きっとお主は病で苦しむことになってしまう…。 だから、この先もずっと、拙の、傍にいたほうがいい……。」 囁かれる名前。 遠回しの言葉は、萬天なりの精一杯求婚だった。 ずっと、一緒にいましょう、と。 梳菜は少し驚いたが、その大きな背に手を回すと、優しく抱き締めながら答えた。 「萬天殿が厭くまで……、わたしをお傍においてくだしゃんせ……。」