「あの火は…一体……。」 梳菜は素直に疑問を口にした。 独り言のつもりだったのだが、その答えは、萬天によってすぐに返ってきた。 「あれの名は林火。 拙の……、友だ。」 「萬天殿の…?」 「ああ。」 梳菜は再度、林火の姿を目に焼き付けた。 奇妙な火のお化け、としてでなく、 自分と萬天を救ってくれた恩人として。