腰を浮かしてみても、もしかすると来るかもしれないと思い直し、また腰を下ろす。 そんな遣り取りをもう何度も続けているのだ。 体の具合が悪くなったのでは……。 その考えが浮かんだ。 今思えば、この時に待つことを止め、梳菜を迎えに行ったらどれほど良かったことかと思う。 しかし、 「……いや、昨日会ったとき、梳菜の顔色は良かった……。」 萬天は、またも思い留まってしまった……。