『ごめん!
仕事でトラブっちゃってさ、昼からずっと処理してるんだけど、まだまだ時間かかりそうなんだ。
このままだと、たぶん空港に迎えに行けない』



「ええええー!!??」



ざわざわしている空港内でも目立つほど、思いっきり叫んでしまった。



『ほんとごめん。
でもイルミネーションが点灯するまでには必ず終わらせるし、絶対行くから。
だからさ、シャンゼリゼの、今から言うところで待ってて。
なんかメモある?
場所は…』



「え、ちょちょちょっと待って、メモ?」



一瞬固まってしまったけど、祐太の勢いに押されて、手持ちのバッグをたぐりよせる。



ボールペンを出して、ガイドブックの、適当に開いたページに、祐太が言うとおりの文字を、殴り書きした。