「じゃあ、また授業終わったら様子見に来るね」 「…うん、ありがと夏生」 「何を水くさい!じゃあね」 ポン、と私の頭を軽くはたいて。 夏生は教室に戻って行った。 幸い保健医は留守だったようで。 夏生以外に泣き顔を見られずに済んでホッとした。 昨日は結局眠れなくて。 一晩中枕を濡らしてたっけ。 ……やっぱり少し、寝よう。 起きてたら考えてしまうから。 なるべく頭を空っぽにしよう。 そう思って、頭まで布団を被った瞬間だった。 ガラッ──。 「大丈夫?志季君」 「んんー……」 え─────?