「はい、今日はここまで」 「…行くよ!」 先生の言葉を合図に、夏生が私の腕を掴んで席を立つ。 いや、正確には立とうとした。 「……」 私の手を掴んだまま、半腰で固まる夏生。 「夏生?どうしたの?」 そう言って、夏生の視線の先を追った瞬間。 「……!」 私の体は硬直した。 同時に、教室中がざわめき始める。 「姫、お迎えに上がりました。 …なんちゃって」 なんで…………? なんで志季がここにいるのー!?