「…で、何その陰気臭い顔は」 顔を合わせるなり、夏生が開口一番にそう言った。 そういえば、どこぞの誰かさんにも似たようなことを言われたことがあるような…。 そんなことを考えながら、夏生と肩を並べて教室に向かう。 今日の私は最悪だ。 何故って、昨夜は一睡も出来なかったから。 原因は、お父さん。 ただでさえ、常日頃から経済的な不安が付きまとう中で、再婚説まで浮上されては頭が休まる暇も無い。 おかげで目の下にはクマ。 瞼も腫れ上がっている。 ……不細工。 私って、こんなに不細工だったっけ?