しかし、瑠璃子は堕ろすと云ってきかなかった。


当然といえば当然の事だ。

何処にそんな余裕がある。

俺の病気が良くなった訳じゃない。でも、本心は同じ気持ちだと云う事もよくよく解っていたから、余計に云い争いは増えるばかりだった。


そして、瑠璃子はあの台詞を口にせざるを得なかったのだ。






……俺の為に。






なのに俺は…………