頷いて、落ち着きを何とか取り戻した俺は思わず

「もしかして、双子の姉妹はいないか?」

と尋ねた。


途端、絵理子は笑って

「よっぽど、前の彼女に似てるのね。しかも酷い別れ方でもしたんでしょ? あんなに謝るなんて、安心していいわよ。双子なんかじゃないから」






そんなことよりと、笑いを止めて真剣な表情で聞き返された。


「貴方、脳に腫瘍でもあるの? これでも医者の端くれなのよ。薬を見ればだいたいの事は判るわ」

と云った。