女はとりあえずタクシーを停めて、俺の財布から身分証を見つけ、家まで送ったという。が、タクシーの中でも吐いてしまった俺の為にその後始末をしてくれたらしい。



翌日の昼過ぎに目覚めた俺は、瑠璃子の姿を見て発作を起こした。急激な頭痛と目が廻る吐き気に瑠璃子はいつも通りにコップ一杯の水と薬を飲ませる。


しばらくして、収まるのを待っていた瑠璃子は昨日の経緯と自分は“絵理子”という別人だと話した。

そして、ハンドバッグから免許証を取り出し、顔写真と名前を照らし合わせるよう促した。