そんな時、俺は一人の蝶に出逢った。

闇に目が慣れた俺にとっては、キラキラと輝いて眩しいくらいの『夜の蝶』だった。街では“摩夜(マヤ)”という名で通っていた。


本当の名前は“瑠璃子(ルリコ)”と云った。優しくて、綺麗で、頭が良くて、俺に無いものを沢山持っている女だと思ったがひとつだけ俺と同じものを持っていた。