なんでコイツは、ほっとけばいいのに僕に構うんだよ。 まぁ、確かに“なんで”って言ってるのは言ってるけど。 「可愛い彼女だね?」 愛川は後ろの黒板の前で他の女と話している文香を見て、下の方が薄い唇の両端をクッと上げた。 可愛い、か。 どう答えればいいんだよ。 可愛いかもしれないけど、“だろ?”って僕が言うのは変な気がする。 「彼女っていってもセフレみたいな関係。僕が文香のこと好きなわけじゃないんだよ」 文香を見てニヤっとしていた愛川は、僕の言葉を聞いた瞬間、目を丸くした。