嫌な人……? 「お願い。耳には触らないで……」 ポタポタと雨のように水たまりに落ちる、文香の涙は止まらなくて。 茶色い瞳の上目遣いで見つめられるのとは、違う胸の締め付けが僕を襲う。 「ミルクティー、買わないで……。見たく、ない」 さっきまで笑顔だった彼女が、なんで泣き出しのかが全然分からない。 “ミルクティー”と、さっき文香が言った“使える女”。 “耳に触らないで” 文香に何があったの? 「ごめん、ユキくんごめんなさい。……泣いたりして」