「外に自販機があったよな。……飲み物買ってくる」 右腕に触れている文香の手を振り払い、ゲージの中にいる白い毛のチワワに背中を見せて入り口まで歩いていった。 飲み物が欲しいのはウソではないけど、それ以上に文香から離れていないとおかしくなりそうなのが怖かった。 自動ドアの手前まで来ると、ガラス越しに外が見える。 まだ雨は降っていて、地面のアスファルトには大きい水たまりが出来ている。 自動ドアにさらに近づくと、静かな音と同時にガラスがスライドして消え、僕はペットショップから出た。