文香が隣にきて、右腕をつかんできた。
下から見上げるように、僕の顔を覗きこんでくる。
彼女の身長は僕の肩までしかないから、文香は僕を見下すことは出来ないんだけどね。
でも、この意識していない茶色い瞳の上目遣いは反則だと思う。
「ねぇ、ユキくん聞いてる?愛川くんと友達?」
「え、あっ、いや。別に……」
彼女がまばたきするたびに長いまつげが茶色い瞳を隠して、僕が焦らされている気分になる。
……なんだよ、この変な感じ。
喉が渇いて
呼吸がまともに出来なくて
胸の奥が熱く締め付けられて
今まで感じたことがない……心臓の音。


