これは何かの嫌がらせですか?ってくらい、文香は僕が嫌いな場所を選んできた。


タケは慣れたよ、確かにキャンキャンとした声には慣れたさ。


だけど、だけどね……


「文香、ここ……」

「ペットショップだよ~。タケをキレイにしてもらおうと思って」


ペットショップ……つまり僕が苦手な犬がいっぱい……。


犬だけじゃないけど、やっぱり犬はたくさんいるわけで。


[わん、わんわん]

[ワンワン]


まだ透明なガラスの自動ドアより手前にいるのに、犬の声が聴こえてきた気がした。


実際は聴こえてないけどね。