受け取った傘を開くと、空から降ってくる水滴が僕を濡らす前ビニールに弾かれる。 「どこに行くの?タケを連れていたら店の中入れないだろ?」 雨に濡れないように、しっかりとレインコートを身にまとっているタケを、人差し指で差して言った。 「タケのために行くところだから大丈夫」 “ね?”と言って文香はタケの頭にチュッと音をたてて唇をくっつけた。 タケが入れるところって、あるの? 「早く行こっか!ユキくん」 「あ?うん」 まっ。変なところに行くんじゃないだろうからいいか。