たまってはない。


でも、快楽は得たいから――。


女の肩を抱いて、教室を出ようとする。




その時だった。


「あっ、あの!」


後ろから声をかけられた。


僕と隣にいる女は、同時に声の方に顔を向ける。


すると、肩より少し下まで伸びている真っ黒い髪が印象的で、1番に視界に入ってきた。


顔を見ると真っ黒な髪とは反対に、隣にいる女より白い肌、茶色い瞳。


僕の肩くらいの身長の女が立っていた。


……いや。“女”というより“女の子”かな。


小学生みたいな顔……一言でいえば童顔だし。


「何?」


“女の子”は顔を真っ赤にする。