ドアを開けると、目の前の壁にかかっている、ひし形の時計が最初に視界に入った。 右側には薄いベージュの階段。 家の中を見ながら玄関に入ると、家の奥から何かが走ってくる足音が聴こえた。 [ワン、ワンワン!] ……ん?犬の鳴き声? 「タケ~。ただいま~」 ……! 走ってきたのは、文香から話を聞いていた“タケユキ”のタケ(僕の名前から名前を付けたわけじゃないと思うけど)。 タケの正体を見た瞬間、僕は気絶寸前になった。