僕のカラダの『使用期限』



ハァとため息を漏らすと、文香は走って僕の目の前に立った。


あの~。歩けないんですけど。


「私の家で飼ってる犬が“タケ”って名前なの。合わせてタケユキ。どう?いいでしょ?」


口角を上げて、目尻を下げて、頬にはえくぼ。


繋がっている僕達の手に、繋いでない文香の手が重なる。


こういう表情を……無邪気っていうのかな?


なんというか、本当に変な女。


別に“ユキくん”でもいいや、って思うじゃん、そんな顔されるとさ。


「家に着いたらタケと遊んであげてね!ユキくん」