――…
帰りのホームルームが終わった。
大きなアクビをして首を回すと、バキバキと骨が削られるような音が気持ちよく響く。
黒目を上手に動かすと、部活に行くために急いで教室を出る人や、スクールバックに教科書を入れる人、ケータイをいじる人が見える。
「ねぇ、剛志(たけゆき)今日いい?当分してないでしょ?」
甘ったるい声を出しながら僕の右腕に両腕を絡ませてきたのは、ただのクラスメートの女。
別にたまってない。
お前以外の女はいくらでもいるし。
声には出さないけどね。
「ヤラしてくれるの?」
「うん!剛志って上手だもん!」