そういえば今は春?夏? どっちとも言えない微妙な暑さだな。 ……そんなことどうでもいいけど。 「あっ。そこの角を左」 後ろから声がして振り向くと、文香は目の前に見える角を人差し指で指す。 いや、僕が指示通りに道を進むんじゃなくて、文香が僕の前を歩いてくれたら早いんじゃないの? 繋がってる手を引っ張り、文香を隣に来させる。 「文香が家まで連れて行ってよ」 あと…… 「何?なんか言いたいことがあって僕を呼んだんだろ?早く言って」